香水のいちばんの売りは、読んで字のごとく「香り」。しかし、香りは文章や動画を使っても伝えることはできません。料理も“直接味を伝えることができない”という点では同じかもしれませんが、盛りつけ方や食材・調味料がわかれば何となく味を想像することができます。一方香水は全て液状、さらに使われている成分にも馴染みがないことから、間接的に伝えるには最も難しい商品といっても過言ではありません。
そんなハードルが高い商品のプロモーションを、一流香水ブランドは『動画』でどのように表現しているのでしょうか。いくつか事例をご紹介します。それぞれ違ったアピールの仕方があるようで、とても興味深いですよ。
CHANEL(シャネル)
◆CHANEL N°5
「CHANEL N°5」といえば、かの有名なマリリン・モンローが使っていたことでお馴染みの商品。今は亡きマリリン・モンローのインタビューが、そのままプロモーションビデオとして使われています。あるインタビュアーの質問「夜は何を着て寝ますか?」という問いに「CHANEL N°5です」と応えた彼女。オシャレで粋な回答が世界中の女性たちの心をわしづかみにしました。
彼女の発言もカッコイイですが、同時に「マリリン・モンローが使っているから使ってみたい」というブランディングも確立しています。
ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)
◆Pleats Please by Issey Miyake
デザイン性の高いファッションアイテムを取り揃えているISSEY MIYAKE。中でも「BAO BAO(バオバオ)」のバッグは人気のあまり生産が追いついていないほど。同ブランドは、BAO BAOのデザインと、プリーツデザインをメイン展開しているシリーズ「Pleats Please(プリーツプリーズ)」をかけ合わせた、斬新なパッケージの香水を売りにしています。プロモーション動画では、ひたすら「パッケージのかわいさ」を伝えていますね。
BAO BAOのバッグやPleats Pleaseのアイテムを交えながら、巧みに香水のパッケージと交錯させオシャレに仕上げています。香りを試さなくても、欲しくなっちゃいますね。
Christian Dior(クリスチャン ディオール)
◆J’adore
過去は捨てて、未来を見ることで高みに上がれる女になる。というメッセージが込められています。そして、そんな女性にしてくれるのがChristian Diorの香水「J’adore」。そんなメッセージがこめられた動画です。
この香水をつければ、自信がみなぎって素敵な女性になれる…そんなことを感じさせてくれる動画ですね。
GUCCI(グッチ)
◆Gucci Guilty
ナレーションやメッセージはなく、映像と音楽のみで展開されています。昼間は豪快にスポーツカーを走らせるクールな女性も、夜になるとセクシーに。そのギャップを生み出しているのは、GUCCIの香水「Guilty」なのかもしれません。
昼間と夜のギャップがたまらなくセクシーですね。夜はこの香水をつけて、大人で甘え上手な女性を演じてみて
動画のパターンは主に2つ!?
香水のプロモーション動画は、大きくわけて2つのパターンがあるようです。
1.「女性らしさ」を伝えるメッセージ性のあるもの(シャネル/クリスチャン ディオール/グッチ)
「女らしくあるためには香水が必要」というメッセージを、インタビューやセクシーな映像を通して伝えています。
2.パッケージのかわいさを伝える(イッセイ ミヤケ)
人気商品のデザインをモチーフにしたパッケージを売りにしてた商品は、最大限それを伝える内容になっています。
動画を使っても伝えにくい「香り」。どんなニオイがするかというより、女性にとって香水をつけるメリットやパッケージのかわいさを伝えることでプロモーションしているようです。伝えにくい商品の『動画』を制作するときの参考にしてみてはいかがでしょうか。
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