COMPANY モバーシャルブログ
2016.5.9

いま世界中で話題の動画「スリットスキャン」て知ってる!?

slitscan

世界中で話題になっている「スリットスキャン」をご存知ですか。撮影素材が“ぐにゃぐにゃ”に見える不思議な映像技術のこと。

 

60〜70年代に流行したものだそうですが、Web動画が普及した昨今、再ブームが訪れているのです。いったいどんな技術なのか簡単な説明と、人気の動画をご紹介します。

スリットスキャンとは

「2001年宇宙の旅」で初めて使われた撮影技術で、コンピュータ・アニメーションの父ジョン・ホイットニーが生み出しました。スリット(切れ込み)が入った黒い紙をカメラと被写体の間にセットし、被写体の後ろからライトを当て、カメラを開放しスキャンするようにスリットをずらしていくとスリットの間から漏れたイメージだけが撮影されます。スリットを動かす際に、位置や時間をずらしていくと被写体が曲がっていくという仕組み。

スリットスキャンを使った映像作品

いったいどんな映像になるのでしょうか、さっそくご覧ください。

スペースシャワーTVのキャンペーン動画『MUSIC SAVES TOMORROW』 2011

日本最大の音楽チャンネル、SPACE SHOWER TV がスリットスキャン技術を起用。「音楽」が登場する日常シーンを、柔らかく神秘的なイメージに仕上げています。様々な場面で人と音楽がつながって生き生き輝く姿を、より感覚的に伝えるのに成功している一例。

MUSIC SAVES TOMORROW (SPACE SHOWER TV STATION ID 2011) from SPACE SHOWER TV on Vimeo.

Midnight Juggernauts『Vital Signs』

こちらはオーストラリアを代表するインディー・ダンスロック・トリオ、Midnight JuggernautsのMV(ミュージックビデオ)。実際の演奏姿とイメージ映像を掛け合わせるのに、スリットスキャンの「ぐにゃり」効果を使って、異次元のような世界を表現しています。ロックな曲調にもミュートがかかり、視覚にも聴覚にもワンクッション入れることで、妖艶な雰囲気が感じられますね。

OKAMOTO’S『Sing A Song Together』

続いて、こちらのMVをどうぞ。演奏しているのは、ダウンタウンの浜ちゃんの息子が所属するOKAMOTO’S。メンバー全員の名字が「オカモト」さんで、全員「岡本太郎」好きという音楽グループ。最初はごくフツーの映像なんですが、途中からスリットスキャンが差し挟まれるという使い方。お天気のよい午後、公園でお昼寝してたらこんな夢見ちゃったよ、というようなホンワカした幸せ感が心地いいですね。

スリットスキャンとドリー・ズームの融合「Slit-dolly-scan」

最後に、スリットスキャンとドリー・ズームを組み合わせた映像作品を。こちらはフランス人フォトグラファー/グラフィックデザイナーMicaël Reynaud(ミカエル・レノー)が手掛けています。

 

ドリー・ズームは、カメラをドリーに乗せて撮りながらズーム・アップとズーム・アウトを併用することで、被写体の大きさを一定に保つ手法。ヒッチコックの「めまい」やスピルバーグの「ジョーズ」などに使われています。

 

ホントにめまいがしそうな映像効果ですよね・・・。

スリットスキャンは、アプリを使って簡単に作れる!

一見難しそうなスリットスキャンですが、同様の映像が簡単に作れるアプリも出ているんです。自分で撮影したものを加工して楽しんでみては!?

 

ダウンロードはこちら

スリットスキャンの不思議な映像効果、味わっていただけましたか?ベタ撮りの画像に技術を加えると、こんなに多様な表現ができるんですね。ふだん見えている世界も、突然ぐにゃぐにゃに変わったりして・・・なんて妄想してしまいそう。これからも製作者・視聴者双方のニーズによって、更に新しい技術が生まれることでしょう。


■ 関連記事

撮影手法「モキュメンタリー」が日本で流行りそう! 代表作は『山田孝之の東京都北区赤羽』と『その「おこだわり」、私にもくれよ!! 』

monues

 

最新ドローン事情とドローンを使って撮影された動画

drones

 

GoProで撮影した動画集!ジョン・ラセター曰く「いずれはiPhoneとGoProのみで撮影された映画作品がアカデミー賞を受賞する」

gopros

 

ベントレーやバーバリーもiPhoneを活用!iPhone「だけ」で撮影した、驚きの企業動画

iphones