ミュージックビデオのバナー広告にトラップが!
2014年11月10日の読売新聞の夕刊に、YouTube上のバナー広告をクリックしたら
コンピューターウイルスに感染したというニュースが流れました。
読売新聞によると、1100万回以上の再生回数を誇るアメリカの人気バンドのミュー
ジックビデオに配信された、偽バナー広告などをクリックすると感染してしまうとの
ことです。
現在、YouTubeは偽バナー広告などが表示されないように対応していますが、バナー
上にはDVD販売などをうたう偽バナー広告が表示され、バンドのファンならDVD販売
の情報を知りたいと思い、クリックしてしまうのは当然です。YouTubeの人気や信頼
性と、ファンの心理を突いた悪質な犯罪です。
ウイルスの仕組み
今回のウイルスの仕組みを説明すると、1〜4の順になります。
1. 広告枠をウイルス配信のために購入。
2. 視聴者が偽広告をクリックすると、偽物のポーランド政府のウェブサイトが表示さ
れる。
3. クリック次第オランダに設置された2つのサーバーを経由し、アメリカのサーバー
に接続される。
4. そこから視聴者のパソコンにウイルスを送り、感染させるプログラム作動する。
被害状況
情報セキュリティーを専門とするトレンドマイクロ社によると、10月上旬までの
約1ヶ月間のうち、確認できただけでアメリカ国内に約11万3000件、日本では
約4000件の感染が発見されました。
YouTubeを運営するグーグルは、
「ウイルスなどの技術は進化しており、悪質な広告は掲載しないなどの方法は取って
いるが、ウイルスを100%防ぐのは難しい」
とコメントしています。
YouTubeは、国内で年間2900万人(※総務省によると)が利用しており、日本国内でも、検索エンジンとして第3位になるほど人気のあるメディアです。いつ、どこで、だれがYouTubeのバナー広告等でコンピューターウイルスに感染してもおかしくない状況になっています。
現状、私たちがウイルスから身を防ぐ方法は、ウイルス対策ソフト等を導入・更新して、できる限りの準備をしておくことしかできません。
コンピューターウイルスとの戦いは、今始まった訳ではありませんが、Googleには、YouTubeからのウイルス感染を防ぎ、ユーザーが安心してYouTubeを早く見られるように、また、広告主が安心して広告をうてるような環境を一刻も早く作ってもらいたいですね。
出典:2014年11月10日(月)読売新聞 夕刊