COMPANY モバーシャルブログ
2015.5.23

YouTubeで学ぼう!原油価格下落の理由

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2014年から急激に下落傾向に陥った原油の価格。この背景には、石油原産国であるサウジアラビアがアジアやアメリカに対する原油の輸出額の値下げに踏み切ったことにあります。それまでは原油1バレルに対し100ドル程度のラインを保っていたのが、60ドル近くまで引き下げられたのです、その理由について説明したYouTube動画をこちらでピックアップしました。

経済評論家・上念司氏の見解

こちらのYouTube動画では、経済評論家の上念司氏が原油急落についての理由を語っています。原油の価格が一定のラインを保っていると、他のエネルギー資源を開発する動きに転じることがあります。そのうちの1つとして、アメリカなどで採掘できるシェールガスの増産も挙げられます。シェールガスが市場に多く出回ることで世界でのエネルギー資源のシェアやインフラの仕組みに変化が生まれ、原油が売れなくなってしまいます。それを防ぐために、サウジアラビアが原油の値下げを決行したというのが上念氏の理論です。本来であれば、サウジアラビアが原油の生産量を調整して価格相場をコントロールするものとされていますが、今回においては原油の価格を市場に多く出回るようにし、台頭しつつあるシェールガスを抑える目的があるのではないかというのです。上念氏は、これから先も原油価格の下落は続く可能性があるとしており、ドル高の関連性も含めて日本経済への影響も予想しています。

GEPR編集者の見解

こちらのYouTube動画では、エネルギー資源について研究を行うGEPR(グローバルエネルギー・ポリシーリサーチ)の編集者がこれからの原油の未来について語っています。この動画がアップされたのは2015年6月であり、原油の急落が始まった頃から少し時間が経過しています。この時点で、急落当時は1バレル40ドル程度であったところが60ドル程度までに上昇しているというのです。そしてこれから先、アメリカの景気回復と連動してドルが上昇し、原油の価格も上がるのではないかという見解です。2015年末までには1バレル100ドルまで上昇するのではないかという予想を立てており、日本経済に関する影響に対しても言及しています。日本の景気が上昇したのは原油価格が下がったことが理由として挙げられ、もし原油価格の上昇が起これば厳しい状況になるのではないかという仮説を立てています。

原油価格の下落はいつまで続くか

こちらのYouTube動画では、IEA(国際エネルギー機関)が発表したマンスリーレポートの内容について言及しています。それによると、原油価格はさらに長期にわたって低下するのではないかとされています。この動画でも、シェールガスやシェールオイルの増産や、また新興国の経済状況について触れており、その中で原油価格が大幅に下落したことを挙げています。また、2015年の世界における原油の需要は伸びが予想されており、需要と供給のバランスが持ちなおされつつあるとしています。さらに、アメリカ原産のシェールオイルが原油価格の下落に対して持ちこたえることができなくなったことも示唆しており、その結果、原油価格の急伸が実現したというのです。さらに、原油供給についても制限がかかっていない現実と、シェールオイルも原油価格下落に対応し始めている動きも含め、これからの動向も値下げ傾向になるのではないかとしています。

 

原油は、世界的に注目されるエネルギー資源であり、この相場に変化があると世界経済のさまざまな局面に影響を与えることとなります。今回紹介したYouTube動画ではそれぞれに見解がありますが、実際にどのような流れになるのかを完全に予想するのは困難です。これからの原油価格について注意深く見守っていくことが求められるでしょう。