国民的人気アニメ『サザエさん』。ストーリーもさることながら、観光地が
紹介されるオープニングに釘付けになる方も多いのではないでしょうか。
今ではお決まりとなった観光地訪問パターンですが、実は40年も前から続い
ているそうです。
サザエさんのテレビアニメ放映が始まったのが1969年(45年前)ですから、
当初の5年間を除いて、長らく同パターンで放映してきたといえます。ここに
は何か理由があるのではないかと思い、様々なトリビア的観点から40年間続く
理由を考えてみました。
きっかけはエンディングで訪れた京都
サザエさんがオープニングで最初に訪れたのは「石川県」ですが、実はそれ
以前にエンディングで京都を訪れていたそうです。これが大変好評だったため、
オープニングでパターン化されたというわけです。
アニメの放映が始まった1970年代前半は、旧国鉄の「ディスカバー・ジャパン」
のキャンペーンにより若い女性を中心に国内旅行ブームが起こった年でもあります。
その影響もあり、興味をもつ人々が増えたのではないかと言われています。
1都道府県の紹介タームは半年間
オープニングにおける1都道府県の掲載期間は半年だそうです。その中で、季節や
話題性に合わせて3ヵ月ごとに内容を変更しています。実際に30個ほどサザエさんの
オープニングを見てみたところ、同じ県内でも季節や話題性に合わせた場所をピック
アップしていました。
あまりの人気に、今では広告枠となった
この観光地訪問があまりに好評だったため、各地方から紹介の要望が多発したそう
です。それを受けて、2000年からは紹介を希望する県や自治体から協力費を得てい
るといいます。
広告費用は通常のTVCMの10分の1以下!
およそ1分間のオープニングにかかる紹介費用は、半年間で600万〜900万円。
一見高いように見えますが、日曜日の同時間帯に60秒間のCMを半年間流した場合、
最低でも9600万円はかかるそうです。10分の1以下の値段で絶大な効果も見込める
とすれば、かなり安いと思います。
観光客が増えた証拠は存在した
【東京都ver.が紹介された2010年の観光客数が増加】
2010年に紹介された「東京都」を例に、オープニング放映前後の観光客数の比較を
紹介したいと思います。
下の表「東京都観光客入れ込み客実数」から、オープニングで紹介された2010年に、
東京都への観光客が増加していることが分かります。
※東京都観光客入れ込み客実数
更に、同オープニングで紹介された「国立新美術館」の来場客数も飛躍的に増加
しています。
※国立新美術館来場者
(引用元:http://kankogakkaiwaseda.web.fc2.com/pdf/sazaesan.pdf)
ただ紹介するだけでなく、旅先で楽しむサザエさんの姿や、“その場所の良さ”が最も伝わるアングルで紹介するなど、様々なこだわりも見られました。こうした視聴者を飽きさせない様々な工夫を見てみると、サザエさんのオープニングパターンが40年間続いているのも納得できますね。