山梨県にある富士急ハイランドの2011年のカウントダウンで行われたイベントが「3.2.1発芸でカウントダウン!」。これは、かつて一世を風靡した後に下火になっていったいわゆる一発屋芸人を集め、CMも兼ねた一発芸動画の再生回数と当日のイベントの盛り上がり度で優勝を決めるイベントです。
今回は、懐かしい顔ぶれが頑張る一発芸CM動画を紹介します。どの芸人の再生回数が一番多かったのでしょうか。
「ゲッツ!」で世を席巻した芸人の動画
まず1本目の動画には、まぶしい黄色のスーツに蝶ネクタイが懐かしい印象のダンディ坂野さんが登場です。ダンディさんは、2003年にアメリカンなスタンダップコメディをベースにしたジョーク=ダジャレネタと、頻発する「ゲッツ!」という掛け声とポーズで世の中を席巻しました。この「ゲッツ!」を真似する人たちも多く、一時期はメディアで引っ張りだこだったのですが、数年後には勢いをなくしていわゆる一発屋芸人の代表格になってしまった方です。そんなダンディさんが動画で披露する一発芸はカウントダウンにかけたもので、新年になった瞬間の「お正ゲッツ!」ですがすがしく締められています。
「キレてないっすよ」でおなじみの芸人の動画
偉大なるプロレスラー・長州力さんのモノマネを生業とし、その舌足らずなしゃべり方と「キレてないっすよ」のセリフで一躍人気者となったのが長州小力さんです。2005年にこのモノマネ芸と、ぽっちゃりロン毛のビジュアルで可愛くパラパラを踊るキモかわ芸でブレイクしましたが、その後やはり少しずつ下火になり一発屋芸人の仲間入りをし、懐かしい顔となりました。今回の一発芸動画では、カウントダウンに合わせて自分の腹を思いっきり叩き、最後にあの名ゼリフ「キレてないですよ」で締めています。
「わかちこわかちこー」が人気を博した芸人の動画
自称「スーパーアイドル」と称し、ピカピカの衣装に身を包んで陽気に登場するのが印象的なゆってぃさんは、2009年ごろに「ちっちゃいことは気にすんな!それわかちこわかちこー!」という陽気なフレーズで大人気となりました。しかしその後、やはり全盛期は過ぎ、今や見かけると懐かしいと思える顔となってしまったのです。そんなゆってぃさんの一発芸は、カウントダウンの後、同じく全盛期に人気となった「キョーレツー!」というフレーズと「正月―!」をかけたものとなっています。
貴族芸人の一発芸動画
「貴族のお漫才」と称して、中世の男爵と家来に扮した2人組が優雅にネタを繰り広げるというスタイルを持つのが髭男爵の2人です。ワイングラスを片手に持ち、「ルネッサーンス」の掛け声とともにグラスを掲げるポーズは、多くの方が真似をしたのではないでしょうか。2008年ごろに流行した彼らのネタもいつか忘れ去られ、今や懐かしい一発屋となっています。そんな彼らの一発芸動画は、やはり王道の「ルネッサーンス」で綺麗に締めています。
このように懐かしい顔ぶれがそろった富士急ハイランドのCMを兼ねた一発芸動画ですが、一発屋と言えどもこうした芸人さんたちの知名度はもちろん高く、CMとしても十分に効果があると考えられます。ちなみに、この4本のCM動画の中で一番視聴者数が多いのはダンディ坂野さんです。さすがは一発屋芸人の代名詞といったところでしょう。