(出典:ニコニコ動画YouTube公式ページ 第1話「龍の歯医者」予告編/日本アニメ(ーター)見本市より)
日本アニメは「クールジャパン戦略」のひとつですが、輸出量は90年代をピークに、
それ以降増えていません。日本アニメが衰退の危機に陥っているといっても過言では
ないでしょう。
そして、心からアニメを愛し、世界中に広げたいと思っている人たちは既にこのこと
に気づいているのです。昨年10月、エヴァンゲリオンの作者でおなじみ庵野秀明氏と
ドワンゴの会長川上量生氏によって、日本アニメを救うための新たなプロジェクトが
始動しました。
日本のアニメ業界は、若きクリエイターが育たない!?
写真:堤大介氏
(出典:シネマトゥデイ http://www.cinematoday.jp/page/N0054542)
日本アニメの輸出量が増えない理由のひとつに、若いクリエイターが育っていないこ
とがあげられます。ピクサーに勤務し、「トイストーリー3」のメインスタッフを務
めた堤大介氏は、日本のアニメーターがアメリカから学ぶこととしてこのように語っ
ています。
「日本はもっと世界に向けて勝負できる人材がそろっているのに、日本の小さい規模だけで満足してしまっているということも少しはあると思うんです。それはもったいないと思うので、ぜひそこはお互い学びながら中間のものができれば、僕らが今観ているアニメーションよりも素晴らしいものができると思います」
(引用:シネマトゥデイ http://www.cinematoday.jp/page/N0054542)
その他にもこのような記事を見つけました。(あくまでも著者個人の見解です)
「ディズニーはチーム主義で「どうやったら面白いか」をみんなで必死に考え、ダメな部分を補強していく。日本は作家主義なので、監督の長所を反映した尖った表現をやるけども、短所も露骨に作品に出してしまう。(略)一人の天才に寄りかかった表現を続けている限り、日本は終わりです」
(引用:http://anond.hatelabo.jp/20150104012559)
一人の天才がいること自体、誇らしいことだと思います。ですが、後継者がいなけれ
ば継続することはできません。日本のアニメ業界に必要なのは、若いクリエイターを
育てること、そのために作品を発表する場を与えることなのではないでしょうか。
Webを使って若き才能に活躍の場を!
「アニメ(ーター)見本市」
そこで誕生したのが、「アニメ(ーター)見本市」です。庵野秀明氏が代表をつとめ
るスタジオカラーと、川上量生氏が会長をつとめるドワンゴの共同で、昨年10月にリ
リースされました。
キャッチフレーズは
「自由な環境で創られる、本物のアニメーション作品を見てみたい」。
さまざまなアニメーターたちが決められた予算と時間の中でオムニバスアニメーション
作品を自由に創作し、毎週金曜日に1話ずつ公開していきます。作品は公式サイトおよ
び公式スマートフォンアプリにて無料で視聴が可能です。
声優は山寺宏一氏や林原めぐみ氏が担当し、題字は宮崎駿氏が担当するなど数々の大物
たちも参戦しています。サイトのリリースからおよそ3ヶ月で、全9作品を公開中。
YouTubeに公開されている予告編の中からいくつかご紹介します。
第1話「龍の歯医者」予告編
第2話「HILL CLIMB GIRL」予告編
世界進出も間近!?制作アニメを「USJ」で公開
同サイトで公開された一部の作品は、今年1月23日から大阪のユニバーサルスタジオ
ジャパンのシアターで公開されることが決定しています。
その名も「ユニバーサル・クールジャパン」。
日本が生み出したマンガ、アニメ、ゲーム、音楽、ファッションなどの優れたエンター
テイメントをUSJが圧倒的なスケールで現実のものへと再現し、世界に発信します。
アニメ動画の舞台もこれからは「Web」へ移っていくのかもしれません。Web動画には、若きクリエイターが才能を開花させ活躍の場所を広げていく可能性がまだまだありそうですね。