アメリカ航空宇宙局(NASA)によって火星へと打ち上げられた探査車「キュリオシティ」が届ける映像が日々大きな話題を呼んでいるなか、オランダの民間非営利団体「マーズワン」は2013年、火星移住計画を発表しました。本当にこれが実現可能なら夢のある話ですが、しかし火星はまだ人間が降り立ったことのない未知の世界です。火星というのはそもそもどんな惑星なのでしょうか?
火星ってどんな所?
火星は岩石の地表を持った「地球型惑星」です。一日の長さは24時間37分22秒、平均気温−43度、大気中に酸素を含むといった地球に近い部分もありますが、直径や重力は地球の半分程度、最低気温は−130度、地球に比べ大気が薄いなどやはり異なる部分もあります。
火星のわかりやすい特徴といえば、その赤い色。これは、地表を形成する岩石に含まれた酸化鉄が、大気中の酸素によって赤く錆びるように酸化するためとされています。
国立天文台が地球から捉えた火星の姿
こちらは地球上から撮影した火星の動画。真っ暗な宇宙空間の遥か遠くに、確かにこの赤い惑星は存在しているんですね。
着々と進められる火星移住計画
火星を題材にした映画は様々にありますが、現在話題になっているのは、火星移住にも関連したこのSF映画です。
『オデッセイ』火星に取り残された男の奮闘
有人飛行ミッション中にあるトラブルに巻き込まれ、ただ一人火星に取り残された男が、火星での長期生存に挑むという展開のストーリーです。マーズワンは、これをある意味で現実のものにしようとしているわけですね。
「マーズワン」火星移住計画のPV
こちらは、公式に許可をもらい日本語字幕を追加したというマーズワンのPVです。少し遅延され、2025年までに火星移住の実現を目指すというこの計画。帰還はあえて考慮されていないため片道切符です。現在、実際に火星へ向けて旅立つメンバーを絞り込み中のようですが。
まず火星まで行けるのか、という問題があります。人類はまだ火星に降り立ったことが一度もないのです。また、なんとかたどり着き、重力や気温などをクリアできたとしても、もし宇宙服を脱いだら大気の薄さによって20秒で失神、1分で絶命してしまうというデータもあります。
NASAはマイペースで火星移住計画を進めている?
NASAのほうは、いきなり片道切符ではなく、帰還前提の火星移住計画を進めているようですね。
火星移住計画は成功するのか?
マーズワンのほうは、やはりリスクが高過ぎると言わざるを得ないですし、NASAにおいても計画が実現するのはかなり先の話になるでしょう。しかし太陽系の他の惑星の場合、金星や水星は灼熱地獄、土星や木星は遠すぎるうえに極寒の世界と、人が住むのは不可能ともいえる過酷な環境です。
そのため、結局は火星が一番マシといった結論になります。多分、時間は想定以上にかかると思われますが、全く実現不可能というわけでもないのかもしれません。