カレーと並ぶ日本のソウルフード、ラーメン。日本人はうまいラーメン屋を見つければ並ぶことをいとわず、順番が来れば黙々と食べる、そこには一種独特の世界観が存在しています。ラーメン屋のポスターも同じように「お約束」的なものがあります。頭にタオルを巻いた店主が険しい顔で腕を組んでいるようなものが多く、人目で「ラーメン屋のポスターだ」というのがわかります。
さて、そんなお約束の雰囲気はPVにも出ているのでしょうか?今回はラーメン屋のPR動画を比較します!
個人経営
まずは個人経営の小規模店舗から。一般的なイメージはカウンターだけの小さなお店、なんですが、最近は小さくともきれいなお店が増えた気がします。
とんとんラーメンHONTEN
最初は山形県にある米沢ラーメンのお店『とんとんラーメンHONTEN』。山形ラーメンならではの魚介ベースの濃厚な醤油スープと中太縮れ麺が特徴です。動画はいたってシンプル。淡々とテロップで店内とラーメンの紹介をします。お店の人も芝居っ気は一切ありません。なんとも素朴な動画ですが、ラーメンはとても美味しそうでその魅力は十分に伝わってきます。
とろ肉ラーメン『二代目五山』
次は京都府伏見区にある『二代目五山』。天下一品などに代表される京都ラーメンは濃厚などろどろのスープが特徴。最近人気のラーメンです。さて動画の作りはこちらもシンプル。と言いますか、大半がラーメン屋、調理の様子、店内などのスライドショー。ラストのメッセージが非常に熱い!
総じて個人経営の店の動画は非常にシンプル。手作り感満載なのが、逆にいい味出してます。
チェーン店
続いてはチェーン店のPR動画。チェーン店は冒頭で述べたラーメン屋のイメージとは違い、ファミリー層にアピールする必要があるのではないかと思います。一体どんな工夫がされているのでしょうか。
【幸楽苑】
昭和29年創業、リーズナブルな価格で昔懐かしい味の「中華そば」が楽しめる、『幸楽苑』からご紹介。動画は新商品『司ラーメン』のPVなのですが、非常にユニークな内容です。社長自らが歌うラップにのせて、従業員が踊ります。ズッポズッポ、ズッポズッポ、ラーメンをすする擬音だと思いますが、耳に残って離れません。強烈なインパクトを残すCMでした。
幸楽苑「司らーめん」プロモーション動画
【三条名物「カレーラーメン」】
つづいてはチェーン店とはちょっと違いますが、新潟県三条市名物カレーラーメンです。カレーラーメンはその名の通り、カレー仕立てのスープで作ったラーメン。三条市ではなんと70年以上の歴史があるんだとか。こちらの動画はカレーラーメンを題材とした「三条カレーラーメンの歌」のPV。歌に合わせて、三条市民の皆さん、そして市内のカレーラーメンの有名店の皆さんが体操をしています。地域密着の温かみを感じる映像ですね。
三条カレーラーメン体操(三条カレーラーメンの歌PV)
どちらも非常にユニークでインパクトの強い動画でしたね。まるで濃厚醤油豚骨の様な。ラーメンにフィーチャーしているのかも微妙なほどで、カレーラーメンの方はラーメン自体が出てきませんでした。
「ラーメンデータベース」トップ10の店は、PVがひとつも存在しなかった
さて最後は有名店、と言いたいところですが「ラーメンデータベース」の人気ランキングトップ10の店を調べたところ、PVがひとつも存在ませんでした。さらに言うと電話番号が非公開のところも多く、宣伝などは積極的に行っていない様子。「うまいものを作れば自然と客は来る」という、これぞ頑固おやじ的な感じなのでしょうか?
動画を比較してみたところ、小規模店舗は手作り感満載のシンプルな動画、大手チェーン店などは家族向けに作られたユニークなもの。そして行列ができる人気店はプロモーション動画を作らない!ということがわかりました。
動画の内容からも、その店のコンセプトや店主の意志が伝わってくるようですね。
■ 関連記事