竹で構成された林、いわゆる竹林は古くから日本人の生活や文化に深く関わってきました。整然と立ち並ぶその光景は見た目にも美しく、風が通り抜ければ心地良いざわめきを発する竹林は古来の俳句や和歌でも歌われ、日本人特有の感覚で親しまれてきました。
京都の観光スポットとして名高い嵯峨野の竹林
こちらの動画は京都の観光名所にもなっている嵯峨野の竹林ですが、一種の芸術とも言えるほどの清らかな美しさを感じさせてくれます。景観を楽しむ以外にも、竹林で伐採された竹は庭園を構成する際の芸術美の一環として使用されたり、竹細工や家具などを創る際の材料としても使用されています。
天然竹を使用した竹製キーボード&マウスセット
この動画のように、現在ではハイテク機器にまで竹が使用される例もあります。こういったものがつい欲しくなるのも、日本人ならではの感覚なのかも知れませんね。しかし現代の日本においては、竹林に関するある問題も取り上げられるようになっています。
放置される竹林が問題になっている?
近年、外国産の安価な筍や竹材が多く輸入されるようになったことで国内の竹林の需要が減り、また地主の高齢化が加速したことで放置される竹林が増えています。竹は繁殖力が旺盛で成長スピードも早く、放っておくと制限なしに範囲を拡大し周辺の植物の成長を阻害、さらに、浅い場所で平面的に広がる地下茎が豪雨や地震などの自然災害の際に地滑りを起こしやすくする危険性もあるため、現在深刻な問題となっています。
動画サイトには、こういった放置竹林の範囲拡大に対処するべく作業に励む方々の動画も度々投稿されています。
荒れた竹林を伐採する愛知県の非営利団体
こちらは愛知県瀬戸市で活動する非営利団体「瀬竹会」の動画です。竹って人間の手の平を上回る太さにまで成長するんですね。そんな太い竹を伐採していく作業は予想以上に大変そうです。
雑木林に侵入している竹林を伐採
この動画では、普通の木が生えている林に竹林が侵入してしまっている光景が見られます。普通の雑木林と比べても、竹林の繁殖力はやはり凄まじい勢いのようです。これを食い止めるべく、いろいろと工夫しながら一本一本切り倒していく作業者。
手入れを行えば竹林は美しい景観を保てる
竹林は定期的に手入れを行えば範囲拡大を抑えることができ、冒頭の動画のように美しい景観に仕上げることも可能です。
美しい竹林を保つための体験イベント
こちらの動画では、”美しい竹林作り”をテーマに催された手入れ体験の風景を見ることができます。子供から大人まで、様々な世代の男女が真剣な面持ちで取り組んでいます。放置された竹林を活用し経済効果に繋げたり、バイオ燃料として利用するという構想も生まれているなか、どのように問題を解決していくのか、動画サイトに上げられる竹林に関する動画も含め、今後の動向に注目したいところですね。