観光スポットとして人気のある鎌倉。自治体の「鎌倉市」は最近いろんな動画を公開していて、そのクオリティが注目を集めています。鎌倉の美しい街並みを映したPR動画をはじめ、本格的なCGシュミレーションを使った津波避難の動画など、完成度が高くSNSで拡散されているようです。
他の市町村もぜひ真似してほしい、鎌倉市の「動画」シリーズをご紹介しましょう。
言葉なんていらない。鎌倉市のプロモーション動画
鎌倉市のプロモーション動画では、同市のいろんな顔が紹介されています。外国人が観光などで訪れたり、インターネットで検索したりすることが多いからでしょう、言葉がなくても理解できるようにナレーションは一切入っていません。その分、まるで自分が一日中鎌倉を歩いているかのような臨場感が際立っています。
朝陽が昇る海辺と、江ノ電の踏切の音からはじまる鎌倉の一日。船乗りやサーファーに、神社やお寺の風景、雑誌などでよく見かけるあのレストラン。観光スポットだけではなく、鎌倉で暮らす人々の穏やかな日常も差し挟まれていて、旅人も、住人も、働く現場の人々も、自然体で映されています。改めて鎌倉のよさを味わえるような映像が素敵ですね。
リアルな津波シミュレーション〜鎌倉で津波から生きのびるために〜
美しい景観が愛される鎌倉ですが、海と山に囲まれた土地は緊急時に避難するには複雑な地形。さらに普段の住人以外に、マリンスポーツや観光に訪れる老若男女でひしめき合っているという環境では、避難にも工夫が必要です。
そこで鎌倉市は、実際に津波が起こったら何分でどこまで波が到達するのか、CGを使った詳しいシミュレーション動画を公開しました。同市の中で4つのスポットをピックアップし、それぞれ「どこにどうやって逃げるべきか」を提示しています。
≪由比ガ浜≫
海水浴中でも慌てずに!鉄筋コンクリートなどの頑丈な「津波避難ビル」の高い階へ。
≪鎌倉駅前≫
駅前までも津波は来る!「津波避難ビル」へ。
≪七里ヶ浜≫
高台に登るのは時間がかかる・・・海岸から道路・踏切を渡って高台へ。
≪腰越≫
川から離れる避難ルートと道路標記を見ながら高台へ。
さらに、関東大震災当時の津波被害の様子も紹介しながら、物理的な津波の仕組みを説明しています。見る側の理解度を深めることで一層注意しようという気持ちになりますね。鎌倉の場合、津波の発生警報から津波到達時間まではわずか「8分」なんですね・・・。
このように、動画では「鎌倉市」ならではの避難の課題を伝えています。この際ですから日常生活では意識しにくい緊急避難場所をチェックしておきたいですね。市では「津波避難空地」「津波避難ビル」の指定箇所があるそうです。また「津波ハザードマップ」も用意されているとか。住んでいる街で津波から生き延びるために、日頃の備えが肝心なことを改めて考えさせられる動画ですね。
都市のプロモーション動画は自治体によって様々。今回ご紹介した「鎌倉市」は、観光地としてのPRも、緊急時のシミュレーションも、どちらも用途に忠実かつ鑑賞に耐えるというハイレベルさ。これからは紙ベースの地域案内だけでなく、誰でも分かりやすく、その地域への愛ある配慮が伝わるような動画が求められそうです。
■ 関連記事
●湘南で働きたい人集合!湘南にオフィスを構える企業とプロモーション動画
●憧れの鎌倉・葉山にショートステイ!絶対移住したくなる、反則すぎる動画