中国発の動画共有サイト「Youku(ヨウク)」。同国での月間利用者数は4億人といわれ、近年は運営資金2500万ドルの調達に成功しています。Googleが買収した当時のYouTubeに匹敵するともいわれる、いま勢いのある動画共有サイトのひとつです。最近は世界進出を狙う海外アーティストたちが公式チャンネルを設け、世界に向かう一歩として活用しています。
今回は「Youku(ヨウク)」の概要と、活用しているアーティストたちをご紹介。
Youku(ヨウク)とは
Youku(ヨウク)は2006年に中国でリリースされた動画共有サイト。中国では国の規制によりYouTubeを閲覧することができません。自国の文化や思想を守るため「金盾」と呼ばれるシステムにより、ブロックを行っているそうです。そこで誕生したのがYouTubeと同じ役割を担うYouku(ヨウク)。一般人の投稿から公式まで様々な動画が投稿されています。2012年3月にはライバルだった「Tudou(ツドウ)」と株式交換を行い合併したことでも話題になりました。
Youkuを使って中国進出を狙うアーティストたち- 韓国人アーティストが多い!?
Youkuを使って中国進出を狙うアーティストは韓国に多いようです。その事例をご紹介しましょう。
EXO
韓国のアイドルグループEXOは、韓国につづき中国の授賞式を総なめにしました。その他、Youkuで1年間最も愛された動画を表彰する『2014 YOUKU NIGHT』にて「アジア最高グループ賞」と「アジア最高パフォーマンス賞」の2冠を達成。Youkuへ公式チャンネルを設けたことが大きく起因しているのがわかります。授賞式の様子は同サイト内で生中継され、韓国だけでなく中国のファンの視線も惹き付けました。
EXO『Growl』ミュージックビデオ
BIG BANG
韓国を代表する5人グループBIG BANGもYoukuに公式チャンネルを設けています。近年世界進出を狙い、中国・タイ・シンガポール・アメリカなどを周るワールドツアーも行っています。各国で積極的な宣伝活動は行っていなかったものの、チケットは即完売。リーダーのG-DRAGON曰く、YouTubeで動画を配信したことが最大の理由なんだとか。ところが、中国ではYouTubeを視ることができません。
つまり、Youkuで動画を公開していたことで中国からの人気を獲得したことになりますね。中国でも数々の賞を受賞しており、ライブも頻繁に行っています。中国進出は成功したといっても過言ではありませんね。
BIG BANG『LOSER』『BAE BAE』ライブ映像
日本人もいた!中国で1億回再生された、山下智博という男
日本人クリエイターの山下智博さんが、中国でいま大人気。動画チャンネル「紳士の一分間」をYoukuで公開したところ再生回数がグングン伸び、今では2億回近く再生されています。今年開催された「第8回Tudou Festival 2015」では最優秀Comedy Channel賞を受賞。日本人として初の快挙を成し遂げました。
山下さんの動画はYouTubeにも投稿されていますが、再生回数が最も多いもので7000回。YouTubeを閲覧できない中国からの視聴がないため伸び悩んでいるようです。Youkuでの再生回数と比較すると、中国でどれだけ人気があるか一目瞭然ですね。
日本でも動画広告を出す企業が続出
Youkuは日本人にも人気のサイト。規制が少なく、リリース当時から時間制限がなかったこともあり「ニコニコ動画のライバル」といわれ徐々に広まっていきました。近年は、アイフルやMEN’S NON-NO他、多くの企業が動画広告を出しています。みなさんも新たな動画配信のプラットフォームとしてチェックしてみてはいかがでしょうか。